ユウさんはボツワナ共和国にとても心惹かれているようです
Gaboroneの街、セレツェ・カーマの像
4月某日、僕はとてもヒマだったので、ネットで南部アフリカの歴史のようなものについて調べていた。おもにWikipediaを見てただけなんだけど。
最近の南ア黒人による外国人排斥暴動の理由と歴史について知りたかったからだ。
そんな中、某2chまとめブログのようなところにすごい物語があった。
アフリカの優等生、ボツワナ共和国の建国の歴史から、南部アフリカの政治・経済、社会情勢、国連や世界銀行との関係、アフリカ各国の発展についてとても詳しく書かれてる。日付の変遷をみるとどうも1年がかりで全章を書いていたようだ。
これ ↓
ボツワナ建国の父であるセレツェ・カーマの生涯をメインに据えながら、南部アフリカ諸国について書かれたものなんだけど、ほんとうにすごい。竜馬がゆくを読んでるような感覚だった。この物語は小説化できるよ。2chで終わらせるにはもったいないな。
てか、2chってテレビとかだと殺害予告だとか誹謗中傷だとかそんなことしか言われないけど、まぁそういうのが多いってのも事実なんだろうけど、それ以上に善意というか優しさというか、熱さというか、なんか伝えたい思いみたいなのがちゃんとあると思うんだよな。
まぁエロサイトの広告がたくさんでてくるのはうんざりするけど。あーいうのあると女の人とかすぐタブを閉じちゃうと思うんだけど運営する側としてはどうなのかね。男ばっかしかみてないのかな。まぁそうだわな。2chだし。もったいない。
書いた人は、相当文献を読み込んでしっかりと調べてるし、自分の言葉で人に説明できるくらいに理解している。読み込んでる資料の数もかなり多い。大学とかで専門に勉強してる人なんかな。
南部アフリカのナミビアに住んでる僕としても、知っていたことから全く知らなかった歴史のこと、周辺諸国との関係まですごく良く理解できた。
これは、日本にいるだけだとなかなか理解できないかもしれないんだけど、なんか肌で感じるくらいに、歴史が動いてきたダイナミックさみたいなものを実感できた。
あと、南アフリカのアパルトヘイトについてもかなり詳しく書かれてるんだけど、そのアパルトヘイトが終了して、なんで南アフリカで黒人の外国人排斥暴動がよく起こるのかもなんとなく理解できた。
今回の暴動の始まりは、ズールー族の王様が外国人は国に帰れといったことが引き金だったんだけど、ズールー族はアパルトヘイト終了したときにも白人を強制退去とか黒人至上主義みたいなもので全民族の融和を提唱してたネルソン・マンデラともそうとう対立してたんだね。で、そのズールー族の住むクワズール・ナタール州で暴動が頻発する、と。ズールー族って、ライオンキングのオープニングの歌がズールー語だったりして、穏やかそうな感じだと思ってたんだけど、かなりの強硬派らしい。
他にも、ボツワナやモーリシャスが経済成長できて、なぜ他のアフリカ諸国ができなかったのかや、ローデシアからジンバブエの建国と崩壊、アンゴラとモザンビークの独立、なぜアフリカの農業は国の基幹産業なのに経済の主力とならないのかなどが明解に書かれている。
僕自身もアフリカのナミビアで働いていて、民間よりも官僚機構というか行政の実行する人達のところに問題があるから仕事が全然進まないんじゃないかと思ってるんだけど、やっぱりいろいろな資料でもそう書かれてるらしく、この物語の中でも官僚機構の重要さが描かれている。
で、僕はこの物語を読んでボツワナ共和国に非常に興味をもったわけなんだけど、せっかくお隣にある国なので、さっそく7月ごろに旅してみようと思う。ウィンドフックから高速バスも出てるし。
物語の中盤あたりでセレツェ・カーマが癌で死んじゃうんだけど、死の前に部屋から首都ハボロネの町をみて、「何もなかった町がこれだけ発展したのはたいしたもんだ」みたいなことを言うところがあって、そこはかなり好きな場面だった。
というわけで、そのハボロネの町をしっかり自分の目で見てみたいと思う。
まぁアフリカの小国のことなんて日本とそんなに関係ないし、誰も興味がないかもしれないんだけど、騙されたと思って読んで見てほしいと思う。坂本龍馬が好きなら絶対好きになるよ。ほんと。
せっかく南部アフリカに住んでいるので、その歴史をもっと知るためにも本をたくさん読んでおこうと思う。日本語の書籍がないから、首都で英語のを買うしかないのだけれど。
そして、竜馬がゆくのようなひとりの青年を通して幕末史を書く、というような小説を書けたらなと思う。
一人の英雄を通して、南部アフリカの歴史を書いてみたい。
アフリカの歴史は複雑だし、それが面白いところでもあり難しいところでもあるんだけど、これは僕の人生でぜひ取り組んでみたいテーマになった。
というわけで、リンク先のアフリカの奇跡のお話はおすすめです。
ではでは